AIを仕事に取り入れるとき、最初から大きな仕組みをつくる必要はないと考えています。
毎日確認している数字や、毎週繰り返している振り返り。そうした身近な仕事にAIを取り入れることも、始め方の一つです。
私たちは、コンテンツのプッシュ配信でAIを活用しています。毎日の集計をもとに、週に一度、次の配信文言を提案してもらう。そして、その提案を人が検討し、配信後の結果を振り返る。このサイクルを毎週回しています。
「開かれた配信」と「じっくり見られた動画」を見る
分析の入り口は、毎日自動で集計しているプッシュ配信の開封率です。
どんな文言の配信が開かれたのか。どのコンテンツの、どんな魅力を伝えたときに反応があったのか。配信結果と文言を照らし合わせながら、傾向を探ります。
ただ、開封率だけでは、開いた後にコンテンツを楽しんでもらえたかまでは分かりません。
そこで、もう一つの軸として動画の視聴データを見ています。どんな動画がじっくり見られやすいのかを分析し、プッシュ配信の結果と組み合わせます。
「開きたくなる訴求」と「見続けたくなるコンテンツ」。その両方から、次に何を、どう伝えるかを考えています。
週に一度、AIに次の文言を提案してもらう
この二つの分析をもとに、週に一度、AIにプッシュ文言を提案してもらっています。
例えば、開封率が高かった配信の表現を、じっくり視聴されている別の動画にも生かせないか。同じコンテンツでも、違う魅力を伝えることで関心を持ってもらえないか。過去の結果を、次に試す案へとつなげます。
ここで気をつけたいのは、数字の差を、そのまま文言だけの効果と考えないことです。配信のタイミングや届けた相手、コンテンツ自体の魅力なども結果に関わります。
だからこそ、AIの提案は正解ではなく、次に試すための仮説として捉えています。
採用するか、修正するかは人が決める
提案された文言を、そのまま使うとは限りません。
採用するのか、修正するのか、今回は見送るのか。最後に判断するのは人間です。
その際には、例えば次のような点が確認の軸になります。
- コンテンツの内容と、訴求する言葉が合っているか
- 開封を促すために、期待をあおりすぎていないか
- 今回届けたい相手に、魅力が伝わる表現になっているか
数字の傾向をつかむことと、その場にふさわしい言葉を選ぶことは、重なりながらも異なる仕事です。AIの提案を材料に、人が内容や届け方を考える。その役割分担を大切にしています。
配信して終わりにせず、翌週の判断につなげる
文言を決めて配信した後は、再び結果を確認します。
前の週に立てた仮説はどうだったのか。期待した反応があったのか。別の伝え方を試した方がよさそうか。結果を次の分析と提案につなげ、改善を続けていきます。
これが、私たちが毎週回しているPDCAです。
AIの活用というと、どれだけ仕事を自動化できるかに目が向きがちです。私たちは、集めた情報を判断に使いやすくし、改善を続けるためにも役立てられると考えています。
まずは、毎週少し時間をかけている振り返りから。手元にある数字を次の行動につなげることが、AIを日々の仕事に取り入れるきっかけになるかもしれません。
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